上石神井動物病院コラム:甲状腺の病気について

10月 1, 2022

台風も過ぎて少し肌寒い日も出てきましたね。10月の11日はスポーツの日なので午前は10時〜12時、午後は15時〜17時30分が受付時間になります。

 ここ数ヶ月の間、ワンちゃんの甲状腺機能低下症が発覚した子が複数頭いるので今回は犬の甲状腺機能低下症をテーマにしたいと思います。

 甲状腺は喉の気管の横にある臓器で肝臓などに比べると小さいです。この甲状腺からサイロキシン(T4)、トリヨードサイロキシン(T3)というホルモンが分泌されます。

・甲状腺機能低下症とは?

甲状腺機能低下症はネコちゃんよりワンちゃんの方が発症する子が多いです。

甲状腺は脳にある脳下垂体や視床下部からホルモンの分泌をコントロールされますが、この部分が機能しないことや、甲状腺自体が炎症や萎縮、腫瘍などで機能しなくなりホルモンの分泌量が少なくなります。

主な症状として、

  • 元気消失
  • 運動不耐性(疲れやすい)
  • (食事量がかわらないのに)太りやすい
  • 体毛の粗造(特に左右対称の脱毛、尻尾の脱毛(リングテイル))
  • 皮膚の乾燥や色素沈着
  • 体温の低下
  • 筋力低下や神経障害(斜頸、顔面麻痺)
  • 徐脈や不整脈

などが挙げられます。

 甲状腺機能低下症の診断はホルモンであるT4、FT4や、甲状腺の腫瘍か判断するために脳下垂体から分泌されるTSHを測定することで判断できます。

 甲状腺腫瘍などでなければ基本的には内服薬で甲状腺のホルモン量をコントロールすることで治療するため、基本的に一生涯内服薬を飲むことが多いです。腫瘍の場合は、腫瘍に対する化学療法や、摘出などの外科手術、放射線治療などが適用されることがあります。

 ここ最近妙に体重が増える、元気がない、皮膚の脱毛や荒れやすいなど上記の症状に当てはまるものが多い場合一度血液検査で測ることを推奨します。

 

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