上石神井動物病院コラム:ノミについて

9月 1, 2022

 まだまだ暑い日が続きますが、このところ涼しい日も増え、お散歩しやすくなりました。そのようなことで、最近、診察でノミの寄生が発見されることが多くなりました。そこで今回はノミの話をします。ノミに関しては色々とご存知の方も多いと思われますので、ワンちゃんを飼う初心者向けの基本的なお話しになります。

ノミとは?

 ノミはゴマ粒より小さな褐色の虫で、ワンちゃんの体表に寄生して、動きわまったり、ぴょんぴょん跳ねまわります。皮膚の表面から吸血することにより、痒みなどの症状が現れます。実際、ノミは動き回るため、本体を見つけられなくとも、黒い粒(糞)を毛の間に確認されることがあります。この糞は濡れたティッシュなどにつけると赤く滲んでくる(源は吸った血液のため)のが特徴です。

ノミはいつ感染するの?

 ノミは気温が高くなると活発に繁殖するため、春から秋にかけて、大量に発生します。お散歩中、草むらや他のわんちゃんとの接触によって感染することが多いようです。散歩後、異常に体を痒がることがあれば、ノミの寄生が疑われますので、一度毛を掻き分けて、虫や糞を確認してみるか?動物病院につれていきましょう。また一度、家に持ち込まれた場合、カーペットや畳でも産卵や繁殖をします。室内の場合はエアコン等で季節に関係なく、ノミの繁殖に適した温度が保たれてしまいますので厄介です。

ノミが寄生するとどうなる?

 主な症状は強い痒みです。吸血の際にだす唾液によりアレルギー反応によるものです。アレルギーの程度や搔き壊しによって、様々な程度の皮膚炎が生じます。大量に寄生した場合には、吸血により貧血を起こすこともあります。また瓜実条虫(サナダ虫)の感染を媒介することもありますので注意が必要です。

ノミがみつかったらどうしたらよい?

 まずノミを潰すのは厳禁です。卵や瓜実条虫を撒き散らすことになります。ノミ取り櫛などで捕まえたノミは丁寧に扱い、粘着テープなどにくっつけて、廃棄するのがよいでしょう。

ノミがみつかった場合にはまず動物病院へ行くことをお勧めします。駆虫薬の投与もしくは処方、今後の管理方法の指導、症状にあわせた痒みや皮膚炎の治療が受けられます。

 駆虫薬は背中に垂らすスポットタイプ、飲み薬タイプなどがあり、寄生したノミは1~2日で死滅します。飼い主さんやワンちゃんにあった駆虫薬を相談してみてください。

ノミの寄生を予防するには?

 駆虫薬は1ヶ月効果があります。予防として1ヶ月に1回、駆虫薬の投与をお勧めします。また室内を清潔に保ったり、まめにワンちゃんをブラッシングしてあげることも重要です。

 

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